メモ帳
高橋明ヴァイオリン工房
イタリアのクレモナで開業しています。
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サント・セラフィンモデル製作過程7+おまけ

現在製作しているサント・セラフィンモデル、渦巻きの加工を一気にやってしまい、ネックの作業に入りました。
以前も一回紹介したネックの製作過程ですが、再度もう一回。
いろんな製作方法があると思いますし、手で握って感触を確認しながら少しづつ削っていく方法もありますが、丸みのあるネックなので形状をきっちりと作るのが難しい部分でもあります。
私も最終的には手で握ってみて確認しますが、それまでは平面を1つづつ作っていって、機械的に的に曲面を作っていく方法を取っております。
機械的にと言っても、すべてノミとヤスリでの手作業です。以前、私のネック製作過程の写真を見て、「機械を使っているのではないか」とのご意見もありましたが、すべて手作業ですよ~。機械で作ったように見えるほど精密にできているというのは、職人としてはうれしいことかもしれませんね。 ちなみにネックの曲線、円柱の一部のように見えますが、実際は尖った三角形に近い曲面です。そのため、旋盤では加工できません。

まずは、ネックの上下で最終厚みまで丸溝を入れます。この溝の一番深いところが、最終の厚みになります。
c0108014_62527.jpg

上下の溝の底を結んだ線を、左右の側面に描きます。
c0108014_6253615.jpg

その直線まで斜めに削り込みます。こうすることで左右の側面をいちいち見なくても、直線まで一気に削りこむことができます。
c0108014_626757.jpg

その斜めの面を見ながら、直線をまでネックの厚みを削ります。ネックの最終厚みの平面が1つできあがります。そして中心線を引きます。この中心線は最後の仕上げまで残ります。斜めの面を作るための線を引きます。
c0108014_6263314.jpg

その線をもとに、第2の面を削ります。
c0108014_6282167.jpg

この後、同様にして、第3、第4の平面を作っていき、最終的に滑らかな曲面になります。
c0108014_628496.jpg

これらの平面をきちんと作っておくと、最終の曲面も、長手方向は自動的に直線になります。
いい加減な平面で適当にしていると、凸凹になってしまいます。

今回も、かなりマニアックな話になってしまいました。(笑)





おまけです。ここ数日、開いた時間でライニング材を作っておりました。ライニングとは、横板の内側にある厚み2mm幅8mmの松材の補強材です。中には表板を切り抜いた時に出た端材を取っておいたのもあり、長さの短い材料もあります。

まずはカンナで厚み2mmになるように削り加工。
c0108014_6292496.jpg

毎日少しづつ作業して、できた薄板がこんなに!
c0108014_6294793.jpg

それを幅8mmになるように切ります。うはは、こんなに作っちゃった! これでヴァイオリン10台分以上はあるな!当分はライニング作らなくても済むぞ!
c0108014_6301713.jpg

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by akiravln | 2007-08-08 22:52 | 工房日記 | Comments(12)
Commented by ひかる at 2007-08-09 11:11 x
本当に手作業とは思えませんね。

すごいです!やはり職人技ってすごいですね。(当たり前で州が・・・すみません。あまりの感動に)

確かにネックは弾き手にとっては重要な部分ですね。
手の大きさによっても違うんでしょうけど。。。でも太くなると重くなるし。。。ぶつぶつ

では暑い中ですが頑張ってください!
でもバカンスはとらないのですか??
Commented by みっちゃん at 2007-08-09 21:44 x
一度実際の製作されているところを拝見したいですぅ。

本当に日本の誇りですね。
Commented by はた at 2007-08-09 22:31 x
ライニングって、古くなると硬くて曲がらなくなるらしいよ。。。。
Commented by はた at 2007-08-09 22:32 x
あ、でも、使っちゃうだろうね、たぶん。
Commented by 高橋 明 at 2007-08-10 05:08 x
ひかるさま、いつもどうも~。
ほめていただいて、どうも。照れくさいです~。
ネック部分は美的に目立たないので、手を抜かれがちですが、弾き手にとっては非常に重要ですよね。演奏者にはよく違いがわかってもらえます。でも、私にとってもまだ苦手分野のひとつです。もっとうまくなりたい~!!!
ちなみにバカンスの予定はありません。(泣!)
Commented by 高橋 明 at 2007-08-10 05:10 x
みっちゃんさま、いつもどうも~。
実際製作しているところは、見ない方が幻滅しなくていいですよ~。
「誇り」ではなく「埃」だらけの作業ですし・・・(笑)!
3日で工房中が埃だらけになるのは、この仕事の宿命です~。
Commented by 高橋 明 at 2007-08-10 05:14 x
はたさま、確かにそうですね。 生木で湿気ている方が、「しな~っ」と曲がりやすいですよね。でも、後々のことを考えると、多少曲げるのに手間と時間がかかっても、よく乾いた材料をしっかり曲げてやるのがいいと思うのですが・・・。
ちなみに、ご指摘の通り、これだけの量でも1年あまりで使い切ってしまいます。中には木目的によくないのも混じっているので、実際使うときに再度選定します。楽器に使わないものは、冶具などに使います。
Commented by GORO at 2007-08-28 00:03 x
今回の作品は特に詳細に解説していただき感謝です。
それにしても、本当に機械加工かと思わせるよう竿の仕上げには参りました。なかなかこうは行かないことを今身をもって感じております。
作業中にスクロールを傷つけない配慮も、実際に自分で気づいてやるのは時間がかかりそうなので、有り難いヒントとです。
先日は、木取りを間違えたネック材から横板をたくさん製造しました。
ついでにライニング材も作りましたが、材料を間違えたようで使えそうに無いので、ライニング接着用の当て木にしようかと思ってます。
切り出しにバンドソーではなく糸鋸盤を使うと、表面がかなりきれいに仕上がり、板厚の調整が不要であればそのまま使えそうです。
Commented by 高橋 明 at 2007-08-29 07:24 x
GOROさま、参考になったようでなによりです。
ネックやその上下の部分は、あまり目立ちませんが非常に重要ですし、この部分が一番、プロかアマチュアかの差が大きく出るところだと思います。その分だけ難しいところですね。私もまだまだよいネックの形状を研究中です。
ネックの保護、私は写真にあるようにキッチンペーパーをぐるぐる巻きにしてテープで止めてあります。まるでエジプトのミイラみたいです。(笑)
ちなみに手軽な方法として、靴下をかぶせるという手もあります。もちろん洗ったやつね! 糸のこ盤、いいですね。リュートのロゼッタにはもってこいですね。
Commented by GORO at 2007-08-29 12:18 x
すみません、間違えました。
糸鋸盤ではなく、丸鋸盤でした。
いまテンプレート製作用に糸鋸盤を探していたので、手が勝手に動いてしまいました。失礼いたしました。
Commented by 高橋 明 at 2007-08-30 05:58 x
GOROさま、あっ、そうでしたか。丸鋸盤ね。未だに私は怖くて使えない電動工具の1つです。。。(笑)
そんなに綺麗に鋸びきできるのならいいですね。製作がんばってください。
Commented by スーサン at 2013-04-08 10:48 x
なかなかアップされないので、気になっておりました。
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