メモ帳
高橋明ヴァイオリン工房
イタリアのクレモナで開業しています。
ホームページ(現在改装中)
http://www.interq.or.jp/
gold/akiravln/


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akiravln@dh.mbn.or.jp
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ヴィエニアウフスキーコンクールの楽器①

先日ポーランドで開催されたヴィエニアウフスキーコンクールに提出した楽器が帰ってきました。
2台参加したうちの1台を今回ご紹介しますね。 もう1台は、また改めて・・・。

この楽器は19位になった楽器です。
製作点数はもう1台よりほんの少しだけ低かったのですが、大きな張りのある音なので音響得点で稼いで19位という結果になりました。

昨年、菊田さん天野さんと一緒に3人共同製作ヴァイオリンを作ったときに使用した型で製作しました。
1715年製ストラディヴァリ”クレモネーゼ”の型です。

それでは、お楽しみください。
クリックすると2倍に拡大されますよん!

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by akiravln | 2011-06-27 02:34 | 工房日記 | Comments(6)

ヴィエニアウフスキー・コンクール

今回は、ポーランドのポツナンという街で開催された第12回ヴィエニアウフスキー・国際ヴァイオリン製作コンクールの模様を紹介したいと思います。

今回のコンクールでは、クレモナからも十数人の参加、日本からの出品者も数多くいたのですが、クレモナや日本からの出品者の多くはコンクール開催中に滞在できなかったようです。ですから、その人たちのためにも、参考になればと思います。
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このコンクールはヴァイオリンのみの参加で、ヴィオラやチェロの部門はありません。
楽器製作のコンクールでは、楽器提出の前にあらかじめ参加申し込みをしないといけないのですが、今回のコンクールでは、世界の23カ国から145人もの参加者による、総計180台以上の参加申し込みがあったとのことです!
(一人2台までの参加ができます)

コンクールのメイン会場となった、ポツナンの楽器博物館です。
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コンクールの開催期間は、2011年5月の8~14日ですが、初日8日のオープニングセレモニーを除いて、その後の第1次審査・第2次審査は非公開で行われます。

4月末までの楽器提出期間に実際に提出された楽器は、148台で、そのうち、第1次審査を通過したのは、121台でした。

第2次審査では、楽器製作者とヴァイオリニストからなる審査員により、楽器の製作技術と音響の審査が行われました。

第2次審査で、製作技術と音響審査の両方で一定のレベル以上の得点を獲得した上位10台の楽器が、ファイナルとして第3次審査に進みました。

5月12日の第3次審査は、独奏・ピアノ伴奏による音響審査と、オーケストラ伴奏による音響審査で、一般入場が可能な公開審査でした。ここで一般参加者はやっとコンクールの審査風景を見ることができます。(でも、この段階では誰がファイナルに残っているのかは全くわかりません)

12日午前に行われた第3次審査の、独奏・ピアノ伴奏による音響審査は、楽器博物館内の小ホールで行われました。
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舞台の中央には、布が張られた衝立が立っており、その後ろでヴァイオリニストが審査される楽器を演奏します。そのため、奏者や楽器が一般入場者はもちろん審査員にも見えないようになっています。
写真は、奏者が衝立の後ろで演奏しているところ。影しか見えません!!
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会場の一番後ろには、審査員が陣取っております。
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演奏曲目は、各弦にて、半音の2オクターブにわたる音階演奏。
その後、無伴奏曲として、バッハの無伴奏パルティータ第2番からサラバンデの一部。
そして、ピアノ伴奏曲として、ヴィエニアウフスキー(!)のオペラ“ファウスト”から、“華麗なるファンタジー”の一部でした。それらの合計約5分余りの演奏を、各楽器で繰り返して演奏されました。

まず、基準とする楽器を0番として、はじめに演奏されて、次に1番から5番までの5台の審査楽器が演奏されました。その後再度0番が演奏されて、前半が終了です。
15分ほどの休憩のあと、再度0番が演奏され、残りの6番から10番の審査楽器が演奏されました。最後にまた0番が演奏されて、第3次審査の午前の部が終了しました。
0番の楽器は、楽器博物館所蔵の古いポーランドの楽器とのこと。
また、審査楽器の演奏される順番はシャッフルされているとのことでした。

楽器が交換するたびに、横の番号札が交換されます。これでどの楽器の演奏かがわかります。
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私がびっくりしたのは、楽器が変わるたびに、舞台袖から次の楽器を係員が持ってくるのですが、楽器が見えないように布で覆って衝立の後ろまで持っていっていました。
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これも、楽器の外観が目に入って先入観を与えないためで、厳密に音響のみにて審査しています。

私が聴いたところですが、各楽器であまり大きな差はなく、楽器の特徴や個性が現れているように思えました。その微妙な差(というか、違い)で点数をつけて優劣を決めるのは、かなり難しいように思えました。最後の方は、精神的な疲労から、どれも同じように聴こえてきてしまいます。
しかし、同じ曲を(それも一部のみ)を繰り返し聴くのは、疲れます! まだ、どれが誰の楽器かもわかりませんし!! しかし、審査員はもっと大変でしょうし、それを演奏するのはもっともっと大変ですよね! (あたりまえか!)

同日の午後6時からは、公開最終音響審査の後半、オーケストラをバックにしての音響審査がありました。
場所は、前半とは異なり、街の大学の大ホール、Marcin Grobliczホールでした。
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ホール内部
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指揮者の左側には、前半と同じように衝立があって、奏者はこの後ろで演奏します。
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ホールの中央には、審査員席があり、審査員はそこで採点していきます。
写真は、演奏がすべて終わってのスタンディングオベーション。審査お疲れ様でした!
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大ホールでのオーケストラバックでの演奏曲目は、ブラームスのヴァイオリン協奏曲の冒頭の一部で、約5分ほど。午前中と同じく、0番のテスト楽器をはさんで10台の楽器が演奏されました。

午後の公開音響審査を聴いた感想ですが、音質では午前中のピアノ伴奏より差は感じなかったですね。やはりオーケストラをバックにして負けない音量やパワーがある楽器が、少し目立って聴こえました。そのような楽器の評価が高くなったのではないかと思います。

1日をはさんで、いよいよ結果発表と表彰式です。
今回は、インターネットで結果発表されたので、ごらんになられた方も多いかと思います。
コンクールの公式ホームページにてPDFファイルで結果発表がダウンロードできますので、興味がある方は見てみてください。(こういう詳細な結果公開は、参加した製作者には厳しいのです! 勉強にはなりますが・・・)

コンクール公式ホームページ
http://www.wieniawski.com/xiimkl.html



第3次審査後のファイナリスト最終結果
http://www.wieniawski.com/kdCmsAssets/download/file_name/Final_Results.pdf


第2次審査後の全体結果(第1次審査通過の120台)
http://www.wieniawski.com/kdCmsAssets/download/file_name/Ranking_after_2nd_Stage.pdf




第1位入賞Min Sung Kim (韓国)
第2位入賞Marcus Klimke (ドイツ)
第3位入賞Ulrike Dederer (スイス・ドイツ)
第4位Min Sung Kim (韓国)
第5位Robert Loska  (ポーランド)
第6位Marcin Krupa  (ポーランド)
第7位Wen Lin Du   (中国)
第8位Fabien Peyruc  (フランス)
第9位Marcin Krupa  (ポーランド)
第10位Debora Scianame (イタリア)

イタリア人や日本人には厳しい結果となってしまいました。
審査員の好みや価値観だと思いますが、丁寧に磨けあげられた楽器よりも、ノミや刃物の跡が残る荒々しい仕上げが評価されたようで、上位の楽器はほとんどそのような楽器でした。
そんな中で、弟子のデボラさんがファイナルの10位に食い込んでくれました! わー、おめでとう! 本人が一番驚いておりました。現地に来てよかったね!

14日の午後6時から表彰式が開催されました。
ポズナムのシティ・ホールです。
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第1位を受賞した韓国のKimさん。
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第2位のドイツのKlimkeさんは、会場にはいらっしゃらなかったです。
第3位を受賞した、スイス・ドイツのDedererさん。
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表彰式の直後に、若手ヴァイオリニストによる上位3位の楽器を使ってのミニ演奏がありました。
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表彰式の後は、晩餐会! 待ってました!! ひゃ~、豪華!!
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ごちそうさまでした!(ポーランドまで来た甲斐があった・・・笑)


また、楽器博物館にて、入賞楽器を含むすべての参加楽器の展示が始まりました。
上位5位までの楽器の展示棚です。
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今回優勝したKimさんの楽器です。
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その拡大です。かなり荒々しい仕上げがされております。
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その背面に、第6位以降のファイナリストの楽器が並べられております。
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背面なので、かなり暗くなっているのが残念ですが、右下に第10位のデボラさんの楽器があります。

楽器の前で記念撮影のデボラさん。よかったね~!
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また、別室では、第2次審査を通過したすべての楽器が展示されておりました。
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ファイナルに残れなかった楽器も、非常に美しい楽器が多く、ファイナルに残れなかったのが不思議に思えるのもありました。これだけハイレベルな楽器が集まると、審査で点数をつけるのは大変だったと思います。

そんな中で、いろいろな国のいろいろなスタイルを勉強できました。
自分の欠点も再確認できましたし、また他のスタイルでもいいところを見つけることができました。これからの自分の仕事にいい意味で反映できればと思います。
コンクールの結果は別にして、ポーランドまで来てよかった!!
(ビールも美味しかったし!!!)
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by akiravln | 2011-06-06 05:51 | 工房日記 | Comments(15)




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