モスクワに行ってきました
2009年 05月 05日
先日、前回のチャイコフスキーコンクールの件で、菊田さんと一緒にモスクワに行ってきました。
いままでの過程をざっと説明しますと、2007年6月に開催されたチャイコフスキーコンクール楽器製作部門、ヴァイオリンの部で第1位の菊田さん、そして第2位の私ですが、本来コンクール側に納められるべき私たちの楽器が他の参加楽器と一緒にロシア税関の問題でクレモナに戻ってきてしまいました。それから1年半もの間いろいろあって返還しに行けなかったわけですが、今回やっと楽器を納めにモスクワに行くことになったのでした。
とはいっても、出発まで向こう(ロシア側)の状況がわからない不安な状態でした。「よく楽器を届けてくれた」と国賓待遇してくれるか、はたまた「いままで楽器を持ってやがって!」と自動小銃で撃ち殺されるか・・・(笑)! 出発までに心配していたことが思い出されます。
結果から先に言うと、国賓待遇とはいかないまでも、大歓迎してもらえました。少なくとも撃ち殺されなかっただけでもよかった・・・(笑)。我々が依頼した日本人の優秀な通訳者の応援のもと、コンクール事務局やロシア日本大使館、ロシア文化庁が全面的にバックアップしてくれて、我々のモスクワ滞在を無事終えることができました。
2回の東京での弦楽器フェア、そして西池袋での日本ヴァイオリン製作研究会にて皆様に見て弾いていただいた我々の楽器は、無事ロシアの文化庁に納められ、国有財産として永久に保存されることになりました。いままで温かく見守ってくれていた皆様、どうもありがとうございました。
とりあえず今回は、今回ロシアに納めた、チャイコフスキーコンクールで2位をいただいた私の楽器の写真と、モスクワで菊田さんとの記念写真を掲載します~。
楽器の写真は2007年末に日本に帰った時に、世界でヴァイオリンを撮影させたらこの人の右に出るものはないと私が信じている写真家の横山進一さんに撮影していただきました。
モスクワで菊田さんと一緒に記念写真です。
次回からモスクワ旅行記で皆様に紹介しますね~。みなさま、おたのしみに!
ロシア旅行大変お疲れ様でした。
コンクールからこの日まで長い道のりだったでしょうが、ロシアで温かい人々に囲まれてのゴールで、ほっと一安心されたのが伝わってくるようでした。
迎えられたロシアの皆さんも、楽器もさることながら、高橋さんたちとの出会いを喜ばれたことと想像いたします。
横山さんの写真はとても美しいですね。背景が真っ黒で、楽器が綺麗に浮き出ていて。静かで落ち着いたでも存在感ある楽器に見えます。裏板は複雑なシマシマ模様だったのですね~。
横山さんの写真は美しくてきれいですよね。楽器の表面的な美しさだけでなく、存在そのものが写真から浮き出ているようです。
モスクワ、到着した時は粉雪が降っておりました。寒かった~! でも真冬のモスクワはそんなもんじゃないようです。恐るべしモスクワ!
チャイコ2位の楽器の写真アップありがとうございます。待ってました!!しかも横山氏の写真で!!美しい楽器ですね。
さて、最近の高橋さんの楽器ですが、表裏板のブロック部にピン打ちされるようになったのでしょうか?少し前のものまではなかったように思うのですが、これは板のハガレ防止でしょうか?
さて、表裏板の木クギですが、おっしゃる通り以前は使っていなかったのですが、2・3年前から使い初めております。木クギを使用するのは、ストラディヴァリの時代からのクレモナの伝統で、横板に表裏板を接着するときの位置決めのためなのです。現在は使用しない製作者も多いですが、製作方法によっては使ったほうが便利な場合もあります。私は2・3年前に初めて試してみて、使いやすかったので未だにつづけております。板のハガレ防止のためではないのですよ。
おげんきにされていますでしょうか。こちらはもはや夏バテぎみですが、元気にしております。またメール送らせていただきますね。