スロバキアでコンクールが開催されました
2011年 09月 22日
というのも、ヴァイオリン製作コンクールが開催されていたからです。
今回のコンクールは、スロバキアのDolny Kubinという街で開催された”Violino Arvenzis 2011”というコンクールで、9月16日~18日の期間開催されました。
2006年から2008年まで毎年あったのですが、その後一時休止になり、今回が改めての開催となりました。
久しぶりなので、私もクレモナの製作者仲間と一緒に参加しました。
私は、友人の製作者ダニーロ・フィオレンティーニさんと一緒に、2006年・2007年と楽器搬入で現地に行きましたので、丸4年ぶりの訪問になりました。
Dolny Kubinの街並み。なつかし~!
結論を先に言うと、結果は、
クレモナの製作者仲間のマルコ・オジオさんが優勝しました!
わ~、おめでと~!!
また、2台出品した私は、2位と4位を頂きました。
またマルコさんとともに、最優秀技術特別賞も頂きました。
ファイナリストが決まった17日の夜に、コンクール側から呼び出しがあり、マルコさんと一緒にスロバキアに急遽出発することになりました。
ポーランド経由(4ヶ月に2回もポーランドに行くことになるとは・・・)で、スロバキアに入り、現地に到着したのが18日の午後6時。
表彰式にぎりぎり間に合ったのでした。
表彰式があった建物の入り口。
表彰式の風景です。
実行委員と審査員のメンバーが並んでおります。
ヴァイオリニストや音楽家の審査員が多いようですね。
優勝そして最優秀技術特別賞を受賞したマルコ・オジオさん。
長旅の疲れもどこかに吹っ飛んで、うれしそうです。
そして、2位・4位・最優秀技術特別賞を頂いた私。
審査委員長のシメオネ・モラッシさんから表彰状を受け取ります。
このコンクール、ファイナルに残った上位5台の最終審査は、フル・オーケストラをバックにしたコンチェルトの音響審査だったそうです。
オジオさんの楽器はもちろん、私の2台の楽器もオーケストラ伴奏で演奏されたようです。
残念ながら私たちの到着には間に合わず、聴けませんでした・・・。
また、今回クレモナから一緒に参加した、友人のアレッサンドロ・メンタさんも総合大6位、菊田浩さんは総合第7位とクレモナ勢大健闘でした。みんなおめでと~!
今回出品した楽器は、前回ブログで掲載した蝶杢(ちょうもく)がたくさん表板に入ったヴァイオリン、名づけて「蝶杢くん」。
そしてもう1台は、前々々回に掲載したポーランドのコンクールに出品したうちの1台、名づけて「ポツナンくん」です。
今回、総合2位と最優秀技術特別賞を頂いたのは、「蝶杢くん」です。
再度掲載しますね。
また、総合第4位を頂いたのは、「ポツナンくん」です。
2日でスロバキアを往復した強行軍でした! クレモナに戻ってきてから3日経ちますが、まだ疲れが抜けません~!(笑)
これから、モンドムジカ、東京の弦楽器フェアと忙しい日々が続きます。
がんばらなければ~!!!
ところで、「ポツナンくん」も「蝶杢くん」も、私はクレモナで一度お会いしていますよね。ポーランドから帰って来た「ポツナンくん」はとても可哀そうでしたよ...。荒っぽい者にイジメられてしまったみたいでしたが、「上品なポツナンくん、よく耐えた! 君は偉いぞぉ~!!!」
私が出会ったヴァイオリンがコンクールで好成績を収めるなんて、製作家の実力は勿論の事ですが、「私にも何か不思議なパワーがあるのかなぁ?」と勝手に自己満足な思いを持ちました。。。。またクレモナに行こうかなぁ。コンクール出品前のヴァイオリンに向かって「頑張れぇ~」と声をかけたいです。では弦楽器フェアでお会いできる日を楽しみにしています。
蝶杢は、すばらしい!! このような板があるんですね。知りませんでした。美しすぎるぅ。
もう一台欲しくなりました(笑)
写真では、おそらくその美しさは半減されているだろうから、
本物を見たいです。
ぜひぜひ、弦楽器フェアでの展示をお願いいたします。
お褒めいただき、ありがとうございます。
先日、菊田さんと一緒に今回コンクールに出品した楽器の録音・ビデオ撮影、そして昨日はプロの写真家に楽器撮影をしてもらいました。
まもなく、ブログでもアップできると思います。お楽しみに~!
楽器を作ってらっしゃるのですね。 参考にしていただいて、私もうれしいです。 ご質問などありましたら、メールでもお気軽にどうぞ!
弦楽器フェアでお会いできるのを楽しみにしております。
今回のコンクールは「音重視」の審査配分という、できたばっかりの新作楽器にはかなり厳しいコンクールだったのですが、いい結果を残せたのでほっとしております。
そうですね。今回の楽器は2台ともシカさまに見ていただいたものですね! 最新の「蝶杢くん」は、ニス塗り前でしたが・・・。
シカさまの祈りが通じたのでしょうか!? 次回のコンクール前にはぜひ再度クレモナまでお越しいただいて、祈祷していただければと思います。(笑)
少しだけ蝶杢が入った表板は、時々見るのですが、これだけ蝶杢だらけの材料は珍しいですね。 どんな音が出るのか、楽しみでもあり不安でもあったわけですが、芯の太い雄大で濃厚な音が出ました。コンクールでいい成績を残せたことでも、見た目・音にもいい方向に行ったようで、ほっとしております。
ちなみにこの楽器、弦楽器フェアで展示予定で、(いまのところ)なんと会場で即売予定です!!! 寺本さま、もう1台いかがですか・・・!?(笑)
気になったのですが、ポツナンさんのアジャスターはどこのメーカーのものですか?
モンドムジカ(クレモナの弦楽器フェア)が開催されておりましたので、お返事が遅くなってしまって、すみません。
3年後に息子さんへの楽器がよりいっそういい楽器になるように、私もがんばって精進していきますので、楽しみにしていてください。
黒檀の件ですが、長さ275mm、幅45mm、厚み15mm以上あれば、ヴァイオリンの指板として使用できます。
ただ、黒い木と言っても、黒檀とは限らず、黒柿や紫檀など、黒くなる木は他にもありますので、見てみないとなんともいえませんが・・・。
詳しくは、私までメールいただけたらと思います。
メールアドレスは、akiravln@dh.mbn.or.jpです。
「ポツナンくん」のアジャスターのメーカーは、・・・「ひ・み・つ!」・・・というのは嘘で、日本の白川総業さんの特製品です!
ネジが非常に細かいため、回す力が軽くて、そして微調整がしやすいです。 私もおすすめです!
今でも販売されていると思いますよ。少し高価ですが、使いやすいアジャスターです。
でも、アジャスターの違いにお気づきになるなんて、よくみてらっしゃいますね! ぜひ試してみてくださいませ。