モンドムジカのご報告
2011年 10月 10日
ばたばたしていて、直前の告知もできなくて、すみませんでした。
先日、9月30日~10月2日までの3日間、クレモナの弦楽器フェア「モンドムジカ」が今年も開催されました。
昨年と同じく、今年も同僚の菊田さん・友人のアレッサンドロ・メンタさんと一緒に3人共同ブースとして参加してきました。今回はそのご報告です。
フェアに来ていただいたみなさま、どうもありがとうございました。今年も多くの出会いだあり、名前をすべて挙げることはできませんが、感謝しております。
さてさて、モンドムジカ全体の感想としては、近年少しずつ縮小してきているようですね。
参加規程も厳しくなってきて、来年からは3人以上の共同ブースは認められなくなるようです。そのため、私たち3人は来年からは参加できなくなりそうです。今年が最後のモンドムジカ参加となりました。
我々3人の共同ブースです。昨年と同じく、3人の楽器が並んでいるだけのシンプル極まりないブース!(笑)
今回は、ガラスケースのガラスを取り外して、見やすく取り出しやすく工夫してみました。
壁には、私たち3人のポスターが飾られております。
私の展示楽器。スロバキアのArvenzisコンクールで2位を頂いた、おなじみ「蝶杢くん」です。
コンクールの表彰状も同時に展示しました。
楽器との記念写真。今回、時間がなくて散髪できなかった・・・(泣!)
こちらは、菊田さんの展示楽器。いつものように美しい楽器です。
菊田さんも、ご自分の楽器と記念撮影。楽しそうですね。(フェア開催直前で、まだ元気があります・・・)
我々の変わりばえしないブースはこのくらいにして、今年のモンドムジカで、私が気になったブースをここでご紹介します。
まずは、ガダニーニの特別展示です。今年はJ・B・ガダニーニの生誕300年記念らしくて、各地で記念展示が開催されています。
こちらは、弓製作者のブース。まるで果物屋のような展示です。茶目っ気があって、面白いですね。
楽器展示で面白かったのは、クレモナの製作者による共同ブースで、現代製作者の過去の作品ばかりを展示してあります。現役製作者の昔の(若い頃の)作品を見れるのは、興味深い企画でした。
中でも目が引いたのは、今は亡きピエランジェロ・バルザリーニさんの作品。すばらしい!
私の目標とする製作者の一人です。
次も、私が尊敬する製作家、マルチェロ・イーベさんのヴィオラ・ダ・モーレ。
精緻な彫刻が目を引く、これもまたすばらしい作品でした。
こちらは、フランスの弓製作グループのブース。中でも目を引いたのが、チェロの原寸大の写真集! 壁にかけてあると、まるで扉のような大きさです。
書籍マニアの私も垂涎の本でしたが、目が飛び出るくらいの価格で、あえなく撃沈!
こちらは私も一時習ったことがあるルカ・サルバドーリさんのブースです。
毎年、エレガントでドラマチックなブースで人気です。もちろん、楽器もすばらしい!
私の「蝶杢くん」以上の蝶杢ですね。「超・蝶杢くん」です。
最後に、ルカ・サルバドーリさんご本人と楽器の記念撮影。
いつもお世話になっています。
そんなこんなで、今年も激動の3日が無事終了し、疲労感と達成感と山のような仕事と(木材を買いすぎたため)カラになった財布が残ったモンドムジカでした・・・!
シンプルなブースもそのたたずまいがかえって存在感があっていい感じですよ。
それと、P・バルザリーニ氏、亡くなってたんですね。大昔クレモナに行った時に目に付いた人でした。シャープな細工の制作家だったのを覚えています。ご冥福をお祈りいたします。
モンドムジカお疲れさまでした!&2位入賞おめでとうございます。
チェロの原寸大写真集はすごいですね!是非とも高橋さんが背中に背負って日本に帰ってくるところを見たかったですが・・・(笑)
やはりその大きさになると値段も凄いですよね!
また今年も弦楽器フェアーでお会いしましょう!
では、また。
なんでもシンプルでわかりやすいのが一番ですよね。(←と自分を納得させてみる・・・) なにより設営や撤収のはやいこと!
そうそう、バルザリーニさんがお亡くなりになったのは、私の記憶に間違いがなければ2004年だったと思います。 私が尊敬するマエストロの一人で、もうすこしイタリア語がうまくなったら、工房にお邪魔しようと思っていたときの矢先でした。 そのため、残念ながらお会いできないうちに亡くなられてしまったのが、残念です。 天才と言われながら、波乱万丈の短い人生でした。 まるでガルネリ・デル・ジェスの人生のようですね。(製作スタイルは違いますが・・・) クレモナにとっても、非常に惜しい人を亡くしてしまったのだと思います。
私も改めて、冥福!
コンクールやモンドムジカとあわただしい日々が続きました。
現在、日本の弦楽器フェアに向けて、さらにあわただしい日々をおくっております。(笑)
チェロの原寸大写真集、私が今まで見た書籍の中でも飛びぬけております。(もちろん値段も含めて!)
もし購入できたら、背中に背負ってでも持って帰りたかったのですがね・・・!
弦楽器フェアでお会いできるのを、私も楽しみにしております。