新作楽器2
2012年 05月 05日
1703年のアントニオ・ストラディヴァリのモデルです。
このモデルは、私がクレモナに来た当初から使用しているモデルで、私の師匠のサンドロ・アジナリさん直伝のモデルです。
今回は、木目を浮き立たせて迫力のある仕上げにしてみました。
写真でお判りいただけるでしょうか?
この楽器の表板の木目は細かいので、写真では目立たないかもね?
今回は多めに写真を掲載しました。クリックすると大きくなりますよん!
以前にもブログでご報告しましたが、2年前に自宅に空き巣が入り、愛用の一眼レフデジカメを盗まれてしまいました。
詳しくは、以前のブログより。
2010年6月28日付ブログ「良い知らせと悪い知らせ」
というわけで、それ以降、コンパクトデジカメを使っております。(悲し~!!)
そのコンパクト・デジカメ、工房に置いて作業風景などを撮影しておりますが、作業のホコリが舞う中での保管のため、最近問題が発覚!
カメラの内部にホコリが入り込んで、CCD上に乗っかっているようです。
赤い矢印が写真に映りこんだホコリの影です。
できるだけ、被写体にかからないように、そして目立たないように気をつけて撮影しておりますが、被写体にかかると目立ちますね・・・。
交換のためレンズが取り外せる一眼レフデジカメでは、CCDの掃除は簡単ですが、一体型のコンパクトデジカメでは難しいかも・・・? やはり修理センターに持ち込まないといけないかな?
今回も素敵なヴァイオリンとヴィオラです(^^)v
この子たちの産むためにお忙しかったのですね。
ぶしつけで恐縮ですが、1つ質問です!
ペグなどの色合いはどうやって決めていらっしゃるのですか?
3つ子ともなると、産むのも大変です。(笑)
ご質問の件ですが、付属品の種類は、大まかにはニスの色合いや楽器の雰囲気で選んでいます。 ですが、付属品の品質(材質や加工)が良ければ、どの種類を選んでも問題はないと思います。 いい付属品が見つからなかった場合、もしニスの色と多少違和感があったとしても、品質の良い付属品を付けるようにしています。
ニスの色が薄めの場合は、濃い目の色の付属品(黒檀やローズウッド)を取り付けると、メリハリが出ますし、逆の場合もそうです。
今回のヴァイオリン、1台は黒檀、もう一台はローズウッドで、ヴィオラはボックスウッド(柘植)です。 ヴィオラはできるだけ頭部の重量を軽くしたい意図がありましたので、あえてボックスウッドを使用しました。
製作者はいろいろ意図があり、付属品の種類を選定しておりますが、品質が良ければ、あまりこだわる必要もないと思います。(もちろん、好みもありますが・・・)
とりいそぎ
ご丁寧な説明をどうもありがとうございました。
なるほど、音への効果や、見た目の調和など、いろんな要素があるのですね。
バイオリンを手にして年月が経ったら、その時の好み(音や色合い)によって、付属品を付け替えるというのも、バイオリンの楽しみの1つなのかもしれない…と思いました。
ところで、私の大好きな「明くん」は、明るくカーンと抜ける音がする気がしています。まだまだ明くんの持てる力を出し切れていないと思いますが、少しずつ新しい音が現れるのが楽しみです。
しっかり弾いていきます!
素敵な楽器をUPしてくださって有難うございます。
1715年と1703年モデルの差って、素人の私にはよくわからないのですが、(すいません、、、。)1703年のモデルの楽器は特にガツーンと来ました。すっごい綺麗ですね。杢目も品があって、明るいハリのある音がしそうだと思いました。ニスの感じでしょうか?ピカピカして、見ているだけで、なんか幸せな気持ちになりました。
モデルの差で音もかわるのでしょうか?こんな事聞いてしまい、モノを知らない私のご無礼をお許しくださいませ。お忙しくお仕事されてるご様子ですが、お体ご自愛くださいませ。では!またのUPを楽しみにしています!
さて、少しまえに、エルネストオルランディ1951クレモナなる楽器を入手しました。結構いいですよ。現在はあまり聞きませんが、クレモナの学校の卒業生だそうです。日本人作家の楽器も不思議なご縁でいくつか手元にありますが、上金正利さん、ギターで有名な河野賢さんなど、なかなかいい楽器です。高橋さんにお会いできるのはまた秋のフェアでしょうか。楽しみにしています。
そうですね、楽器の雰囲気を変えたり、音の変化を試してみるのに、付属品を変えるのも効果があると思いますが、あまり頻繁に変えるのは、楽器の状態から言うとあまりおすすめできないのです。
特にペグ交換の場合、摺り合わせのためにスクロール側のペグ孔もごくわずかに削る必要があり、頻繁にペグを交換することで孔が大きくなりすぎ、いずれは穴埋め作業をしないといけないことになります。
糸巻きは、交換の必要がない限り、あまり交換しない方がいいと思います。
着せ替え人形のように、気分でイメチェンできたら、より楽しいのでしょうけど・・・。 最近はスワロフスキーのクリスタルがついた付属品もありますしね。 大阪出身の私、そういう光物が実は好きです・・・。(笑)
ゆいさまの「明くん」、製作から3年が経過し、ニスも落ち着いて、これからいよいよ本領発揮でしょうか。 楽器と奏者がお互いを上昇させていけば理想的ですね。ゆいさまの上達に負けないように「明くん」もがんばっていると思いますよ。
東京で菊田さんに会われたようですね! 菊田さん、疲れぎみではなかったですか?
現在は菊田さん、実家でゆっくりされているころでしょうかね。日本で充電して元気にクレモナに戻ってくるのを楽しみにしております。
さてさて、モデルの件ですが、どちらもストラディヴァリのモデルですが、1715年の方がほんのわずかだけ胴体が大きめです。
そのためか、スケールの大きい張りのある音がでます。
1703年は、私の今までの特徴である、甘くてしなやかなビロードのような音ですね。
これは、好みもありますので、どちらがいいとかはいえないですが・・・。
ぜひ、junjunさまも宮地楽器で弾いてみて、感想を聞かせてくださいませ。
まもなく、今回3台の最後になるヴィオラの紹介も掲載しますね。
お楽しみに!
松元さまのそっくりキャノン砲も、いろいろな人に弾いてもらえて、喜んでいると思います。私も、うれしいです。 ありがとうございます。
いろいろな楽器をお持ちなのですね。 オルランディさん、残念ながら私は初耳ですが、クレモナの学校の卒業生ということは、私の大先輩ですね。そういう大先輩たちの伝統を、ささやかながら私も受け継いでいるということは、うれしく思います。 少なくとも、先人たちが受けついてきた伝統に恥ずかしくないような、いい仕事をしたいと思います。 これからもがんばって精進していきますね。
日本の大先輩、上金さんや河野さんも、製作者協会の準会員時代お世話になりました。 またいつか機会があれば、見せてくださいね。
この時期は、日本帰国はかないませんでしたが、11月の弦楽器フェアにはまた帰国する予定です。 また一回り大きくなった私を見ていただけるように、がんばりますね。(いや、胴回りじゃなくて・・・!)