新作楽器3 ヴィオラ
2012年 05月 08日
今回完成した3台の楽器の最後はヴィオラです。
胴体長410mmの標準的な大きさのヴィオラです。
この楽器を含めて3台の最新作は、5月12日から20日まで宮地楽器小金井店で開催される弦楽器フェアで展示されます。
改めて、告知しますね。
宮地楽器小金井店 弦楽器フェア
http://strings.miyajimusic.jp/sale/
このヴィオラ、前回のヴァイオリンと同じく木目を浮き出す手法で仕上げた楽器です。
表板は、昨年のヴァイオリン「蝶杢くん」と同じ材料で、蝶杢がたくさん入った木を使用しました。
今回はヴィオラなので、「蝶杢くん」の妹「蝶杢ちゃん」ですね。(笑)
イタリア語では、ヴァイオリンは男性名詞、ヴィオラは女性名詞なので・・・。
低音は豊かなホルンのような朗々とした響き、高音はチェロのハイポジションのような鳴りっぷりです。ヴィオラは低音と高音のバランスが難しいですが、今まで以上のバランスの良さで鳴ってくれました。
今回も、写真でお楽しみください。クリックしたら大きくなりますよ。
実物を触って見たい方、試奏してみたい方は宮地楽器へダッシュ!(でも、今すぐじゃなくて、12日からですよん)
いま日本はあさの5時すぎです。
かわいい子ができていますね。
私の慶次くんもヴァイオリンと同じようにせなかがふくらんでいます。これは十九世紀ギター、ラプレヴォットタイプの特長のひとつです。あと力木が並行に二本ついています。
美しいビオラの写真有難うございます!
先日は、質問にお答えくださいまして感謝いたします!!
バイオリンの僅か?な形の違いでの音の差って考えた事って無かったから、とても興味深く楽しいです。
またまた質問してよいですか?(してしまってますが、、、)
蝶杢って、実は去年まで知らなかったのですが(昨年のブログで初)
この模様が入ると、木が強くなって音の響きが良いとか、板を薄く出来るとか?って書いている人がいましたが(ググってみた)
実際は、蝶杢の場合作り方や音に変化があるのでしょうか?
菊田さん、お元気そうでした。実際にはお疲れでしょうが、お会い出来て元気を頂きました!高橋さんも、また新しい楽器制作中との事、
私もお仕事がんばるぞーって気になります。
お忙しいと思いますが、呉々もお体ご自愛ください。
あっ。ワンちゃんから、夜桜になっていますね。綺麗です。
ちなみに、こちらは夜の10時過ぎです。(丸1日遅れですが・・・)
膨らんだ裏板のギター、ラウンドバックですね。 リュートからの流れをくむ手の込んだギターですね。
現在の平らな裏板のギターは、材料を手間を省くにはいいでしょうが、音色はラウンド・バックが勝ると聞いたことがあります。
Rさまの慶次くんも、いい音色が響いていると想像しています。
さっそくの質問、ありがとうございます。
蝶杢の表板、昨年と今回の2台(それも同じ木からとった材料)が初めてですので、まだ一般的な特徴というのは私もまだよく把握できていません。
木材の質自体は、蝶杢の部分が硬く締まっているので、薄めにして響きやすくしても、音がつぶれない方向には行くと思います。
実際、前回と今回も、どちらも張りのある明確な音が出ていますが、蝶杢の有り無しよりも、その木材の元からの特徴かもしれません。
だからといって、蝶杢至上主義をとなえるつもりは全くありませんが、蝶杢という個性的な材料を使って、その特徴をうまく生かせればと思います。私がそのようにできるまでは、まだまだ時間がかかると思いますが・・・。
菊田さん、お元気そうでなによりでした。 だんだんと帰国の日が近づいております。 久しぶりの日本を満喫されていることだろうと思います。
高橋さんや、菊田さんというバイオリン製作者さんとの出会いは、バイオリンを少なくとも触っている者として、とても貴重な経験です。
しかも、直接質問して(愚問)、お答えくださり、なんて贅沢な事でしょうと感じます。それまでとは違った方向から少しづつではありますが、楽器に想いを寄せる事が出来るようになってきました。
日本では、なんだか晴れたと思ったら急に暗くなって雷がなったり、テレビのニュースでは氷がふったり、ひどい所では竜巻は起きたりしていて不安定な日々です。クレモナはいかがでしょうか。
ご健康には十分ご留意され、素敵な毎日をお送りくださいね。
ブログも楽しみにしていますが、呉々もご無理ないようにご自愛くださいませ。
愚問なんてことないですよ。 かなり鋭いご質問なので、お返事にうろたえております。(笑)
実際、製作家と言っても、情報はいろいろと入りますが、自分の手で(経験で)わかることといえば、自分が作る年間数本の楽器だけですので、実感としてわかるにはかなり時間がかかります。
ある著名な名工は、「木と対話する」と比喩していますが、まさにその通りですね。 木は何も話してくれないので、木の気持ちや言いたいことを耳をすまして、聞きとることになります。
精神集中して、「耳をすませば」、木が言葉でわかりやすく言ってくれればいいのですが・・・。
実際は、いろいろ試行錯誤して、経験を積みながら、耳をすましつづける必要があります。 なんとも気の長い話ですね・・・。
クレモナは、ここ数日真夏日に恵まれていますが、突然雨が降ったりで、日本と同じ不安定な天気です。 クレモナでは、初夏に雹が降るのが毎年恒例なので、あまり気にしてないですが・・・。
天気も、木も、自然なものは予測不可能・・・ということで! おそまつ!
お時間が合えば、ぜひ宮地楽器で生き別れ(?)の兄妹のご対面を果たしてやってくださいませ・・・(笑)。