正月休みにやっていたこと
2014年 01月 16日
新年に入ってから、新しいブログネタもまだなく、今回はお正月休みにやっていたことをご紹介しますね。仕事に関係することですが、少しお遊びです。
まずは、豆カンナのセットを新調しました。ヴァイオリンの表板・裏板の膨らみを削るための小さいカンナです。
小さいカンナなので、すぐにどっかいったり(笑)、ごちゃごちゃになってわかりにくくなります。
そこで、手元にとってあった空き箱を使って豆カンナ収納箱を作ってみました。
箱は、一眼レフカメラの箱(中身はもう無い!)。 なかなか豪華な箱なので、捨てずに取ってありました。
中を開けると、整然と豆カンナが並んでおります。箱から見ると純金のカンナみたいですが、ただの真鍮製です。
化粧布の下は発泡スチロールを切り抜いて、所定の位置に豆カンナがはまり込むようにしてあります。
わ~、キレイ~! 宝石箱みたい~!!(←自己満足)
豆カンナの刃も工夫しました。
まずは、手元側の先を丸めました。使用時に手に当たっても痛くありません。
そして、注目は櫛歯の刃です。櫛歯は、刃先に櫛のように溝が切ってあって、逆目が出にくいカンナ刃です。(上の写真の右から1番目と3番目が櫛歯の豆カンナです)
通常のカンナと、刃先以外は全く同じなので、どちらなのかは毎回いちいち刃先を確認しなくてはなりません。
そこで、櫛歯カンナ刃の手元に、刃先のようなキザキザの切り込みを入れました。これで一目瞭然です。
もうひとつは、ヴァイオリンとヴィオラのコントラフォルマ(表板・裏板の作業台)のあて布を交換しました。
昨年までは、蛇革模様の合成皮革を貼ってあったのですが、長年の使用でぼろぼろになってしまったので、新年ということもあり貼りかえることにしました。(蛇年も終わったしね!)
新しい布は、ワインレッドのベルベット! 切り抜いてから気付いたのですが、この生地切り端がほぐれて来やすくみっともないので、急遽布の回りを黒色コーキングシリコンで固めました。
これは、ヴァイオリン用コントラフォルマ。
そしてこれは、ヴィオラ用コントラフォルマです。
わ~、キレイ~! 王宮の玉座みたい~!!(←さらに自己満足)
さらに、オプションの自在万力に取り付けると・・・、
自由な角度でコントラフォルマを固定できます。
ヴァイオリンの裏板を取り付けると、こんな感じ。
よく考えると、きれいなあて布も作業中は隠れて見えないのね・・・!
今回は、工具の整備というお話でした。でも、ほとんど自己満足の世界ですが・・・(笑)!
でも、この自己満足がいい仕事につながっていくと思います。・・・たぶん。
この豆カンナとコントラフォルマで、今年はもっともっといい仕事するぞ~!!
他にもそういう方がいらっしゃるみたいですが、私もついつい(笑)毎日見にきて「まさか、まだ記事はないよね。でもどなたかのコメントがあるかも」と思って開けてみたら、嬉しいビックリです!
カンナが並んだ姿は金の延べ棒に見えました(^。^)! ワインレッドもワインも好きなので、ベルベットの生地も素敵です!
益々、素敵な製作が出来ますね(*^^*)
楽しみです〜。
カンナの箱、本当に素敵で蓋を開ける度にウットリですね!
仕事道具を大切に綺麗に使う事が、より良い仕事を生み出す、、、
学生時代に先生に言われた言葉を思い出しました。私もしっかり見習いたいと思います。
真鍮を削ったりするのは、技工用エンジンがあるのですか?バイオリンは勿論ですが、こういったお仕事場の写真にも、すごく興味深いです。
ここから、楽器がうまれるんだなーって思いながらみるとワクワクしますね。😄
素敵な写真UP有難うございました!!私もお仕事がんばりまーす。😄
冗談はおいといて、毎日楽しみにしてくれている人がいると思うと、嬉しい限りです。
これからも仕事にブログにがんばっていきますので、楽しみにしていてくださいませ。
今年の目標の一つは、ホームページ再開です!!(←3年前からの持ち越し目標ですが・・・)
そうそう、junjunさまの職種も技工用エンジンを使いますよね。私のはもっと単純なハンドルーターですが、金属加工するには便利です。普段木材しか扱わないヴァイオリン製作者も、時には工具整備のために金属加工することもあります。鋳造も自分でできたら、豆カンナも自分で作れるのですが・・・! やってみたいけど、今は無理なので、老後の楽しみににとっておきたいと思います。(笑)
ミニカンナ、触ってみたいです。ちょっと木を削ってみたいです。どんな感じなのでしょうかねぇ?演奏家が楽器にこだわる様に、製作家も工具にこだわったりするのでしょうか?「本場、堺の職人さんが造った包丁」みたいな感じで、「どこどこ製のミニカンナでないと、私の楽器造りには適さないんだぁ!」なんてあるのでしょうか?重さとか形状とかで、繊細な木の削り方に影響がありそうな感じを素人の私は持っています。それとも、色々な材質の木材から素晴らしい楽器を創り出してしまう高橋さんにしてみれば、あくまでもミニカンナは、ミニカンナであって最後は「腕前」なのでしょうか?うぅ~ん、腕前かなぁ?
「コントラフォルマ」、Vn用もVa用も中央に5つの穴?があるみたですが、どんな意味があるのでしょうか?幼稚な子供みたいに疑問文の多いコメントになってしまいたね。御手隙時に教えて頂けると嬉しいです。
では、新調のミニカンナとコントラフォルマで、素晴らし楽器製作にお励み下さいませ。私の楽器、高音が特に素晴らしです。ありがとうございます。
初めはぴかぴかで美しい工具でも、使っているうちに汚れたり古くなってきますが、これもヴァイオリンと同じで味がでてくると思います。いい工具は古くても機能美がありますよね!
製作者も工具にこだわりますが、高価な工具というよりは、手になじむ工具がいいですね。 使いやすい工具は、なによりも自分が使い慣れた工具だったりします。実際今回豆かんなを新調しましたが、直後に作業に使用したのはやっぱり古い使いなれたカンナだったりします。使い慣れた工具があっての腕前になるでしょうね。
コントラフォルマの穴は、万力に固定するためのねじ穴です。9枚目の写真では、4つの穴にねじが入っております。中心の穴は別の万力用です。ヴァイオリンとヴィオラを同時進行する場合は、その都度つけたり外したりしないといけないので、ねじの取り外しがめんどくさいのですが、最近買った電動ドライバーが便利です~。
昨年秋のメンテで、魂柱を少し動かしましたので、高音に深みが出ましたよね。 また演奏会でご活躍してくださいませ。