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工房の再開と初夏のはぎ合わせ祭り!

すこしごぶさたしてしまいました。
イタリアのコロナ禍も峠を越え、小康状態が続いております。
私も至って元気にしております。
ロックダウンも5月初旬から段階的に解除されておりますが、私はだらだらと自宅作業を続けていて(作業環境が変わるのが苦手なため)、やっと6月初旬から本格的に工房での作業を再開しております。

工房での作業を再開するにあたって、まずは自宅待機でなまってしまった体を慣らす意味も含めて、この時期(初夏)の恒例作業、「はぎ合わせ作業」をまとめてしました。
題して、「初夏のはぎ合わせ祭り!」開催です! でも、「ヤマザキ春のパン祭り」と違い、なにも特典はありません!!
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ヴァイオリンの表板・裏板を作るにあたって初めにする作業、左右に開いた板を中央で接着する作業です。1枚板の裏板以外はこの作業をする必要があるのですが、知らない人も多いかな?
でも、この「はぎ合わせ」という作業、接着剤として使用する「にかわ」が、気温が低いとすぐゼリー状に固まってしまい、うまく接着できません。気温が少なくとも25度以上が必要なので、冬などに行う場合は難しいのです。(暖房の無駄にもなりますしね!)
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というわけで、私は夏の間にまとめて行っている「はぎ合わせ作業」ですが、夏といっても本格的な猛暑の中では体力的に大変なので、この初夏くらいの気温が一番いいですね。

これから「はぎ合わせ作業」を行う前の待機中の表板・裏板たち。
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まずは、板の内側を完全平面になるように鉋で削ります。
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そして、その平面に直角になるように「はぎ合わせ面」を鉋で削ります。
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接着準備が終わった材料が待機しています。
完璧に削った接着面がよごれないように、接着面を上にして置いているのが接着待ちの材料。
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「にかわ」は楽器製作はもとより、古来からある天然の接着剤です。
写真のように、直火ではなく「湯煎(ゆせん)」で温めて使います。
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準備が整うと、いざ接着!
気温が暖かい季節でも、作業には素早さが必要です。
でっかいクランプで材料を圧着して接着します。
うまく接着できると、接着層が全く見えなくなります。
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接着が終わると、クランプで圧着したまま半日乾燥させます。
工房にたくさん並ぶと壮観です!
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私が持っているでっかいクランプの数の問題で、一度に7枚のはぎ合わせが最大です。

これだけまとめてやると、鉋屑も大変な量です。
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毎日掃除しているので、1日の作業分で出た鉋屑だけでもこれだけあります。

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最後のはぎ合わせが終わり、完成した表板・裏板材。
これだけあれば2・3年はもつね!
今回の「初夏のはぎ合わせ祭り!」、残ったのはたくさんのはぎ合わせした材料と疲労感と達成感と筋肉痛でした!

Commented by Junjun at 2020-06-25 15:46 x
あきらさん、こんにちは

はぎあわせ、作業のアップ有難うございます

初めて拝見した!話には聞いていましたが、二枚板のつなぎ。

これ、いっきに七台分!
2、3年?
一年で五台くらい?作られるのかしら、

だから、めちゃくちゃ、レアな光景ですね。
貴重なアップなんですね!!

はぎあわせを、まつ 板さんたち

なんか、愛らしい?^ ^

この子たちが、どんな素敵な楽器になるか
楽しみですね。

クレモナは暑い?みたいですが、
体調気をつけて
くださいませー!
Commented by akiravln at 2020-06-27 05:30
Junjunさん、こんにちは。いつも書き込みありがとうございます。
一般には知られていない「はぎ合わせ」楽しんでもらえたようでなによりです。
特に私の場合は、初夏のこの時期に2・3年分をまとめて行うので、
めったに見れない貴重な写真です。(笑)
はぎ合わせした材料さんたちを眺めながら、どんな楽器になるのか私も楽しみです。
これから出来上がる楽器たちを楽しみにしてくださいね。
Commented by シカ at 2020-07-04 14:18 x
髙橋さん、こんにちは!
お元気に製作活動を続けられている事を知れて、とても安心しました。
イタリアの新型コロナも峠を越えた模様ですが、まだまだ小さな丘が現れるかも知れません。どうぞお身体に気を付けてご活躍下さい。
「春のパン祭り」ですか!子供の時、台紙にシールを貼りましたよ。白いお皿を貰って嬉しいかと言えばそうでもないのですが、シールを貼って台紙が埋まるが楽しみでした。
「安いパンばかり食べていたなぁ。」と、シールの点数と枚数を振り返える事ができちゃうビジネスモデル、、、、現在も健在ですね。ウィキにもあるんだぁ。

"https://ja.wikipedia.org/wiki/ヤマザキ春のパンまつり"

「はぎ合わせ」、髙橋さんに話を伺う迄不思議だったんですよ。「なんで、わざわざ半分の板をくっつけて表面板や裏板を作るのかなぁ、使うのかなぁ?」って。。。
話を聞いて納得できました。板をスライスして、はぎ合わせを行う事で「左右対称の板」になる訳ですね。理屈上、木の密や疎が左右均等になるんだぁ。。。な~るほど。
裏板が1枚板の楽器も美しいけれど、左右対称を頑固に自己主張する楽器も威厳があって頼もしいですね。手も掛かっていそうだし、私ははぎ合わせに1票です。
ブログの写真を見ていたら、なんか木の香りが漂ってきそう。はぎ合わせ完了の表板さん、裏板さん、良い楽器となって生まれて下さいね。
では、2020年生まれのはぎ合わせ板、初夏のはぎ合わせ祭りから生まれる新しい楽器の誕生と、その便りを楽しみにしています。
健康に御注意なさってお励み下さい。
Commented by akiravln at 2020-07-07 16:53
シカさま、こんにちは。コメントどうもありがとうございます。
「ヤマザキ春のパン祭り」今もやっているのでしょうかね?
懐かしい響きです。

私も2枚板が好きです。「はぎ合わせ作業」をしないといけないという手間は増えますが、
なんといっても左右がバランスが取れて、音作りもしやすいですし。
今回の「初夏のはぎ合わせ祭り」ではぎ合わせた材料で次回作を作り始めております。
いい作品になるように頑張っています。楽しみにしていてくださいね。
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by akiravln | 2020-06-25 08:05 | 工房日記 | Comments(4)

イタリアのクレモナで活動しているヴァイオリン製作工房


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