サント・セラフィンモデル製作過程2
2007年 07月 07日
・・・すみません、病み上がりで少しテンパっております。
昨日まで3日ほど、風邪気味で、微熱があってだるかったです。
今日は元気を取り戻して仕事をしております。
さて、今とりかかっているサント・セラフィンモデル、風邪のため少し遅れ気味ですが、進んでおります。
今週したのは、パーフリング加工。
表板・裏板の全周に溝をほって、パーフリングと呼ばれる象嵌を埋め込みます。
写真は、溝を掘ったところ。
今回のバーズアイメイプルは、硬い! 溝が彫りにくいし、指が痛い・・・(;_;) (←生まれて初めて使う絵文字です!)
彫った溝に、黒白黒と3層サンドイッチになったパーフリング材をはめ込みます。未だに描いたものだと思っている奏者の人も多いのでは!? 工場製安物には描いたものもあるでしょうが・・・。
ニカワ接着して表面を削ると・・・
縁を掘り込んでから、いよいよ膨らみを削りだしていきます。
さて、これからも大変だ~!
二つ同時進行ですか?
またバーズアイメープルは仕上がれば美しいのですが削るの本当に大変ですよね。継ぎネック以外のヘッドのオリジナル部分はバーズアイだと思いましたが、やはりバーズアイを使われるのでしょうか。
自分はバーズアイを使ったときには思うようにスクロールが削れてくれなくて苦労したことがありトラウマになりそうです。
高橋様の美しい仕上がりと製作テクニックに期待しています。
パーフリング作業が終わると、膨らみや厚みの作業になります。やっと本格的な楽器製作らしい仕事になります。パーフリングを入れるまでは準備段階という感じですかね。もちろん準備段階も重要なのですが・・・。
風邪治りましたが、昼寝する癖が残りました・・・(笑)!
「2つ同時進行」? 2台分ということでしょうか? 表板と裏板ですよ~。
というのは、通常のトラ目は柾目面に出て、逆にバーズアイの鳥目模様は板目面に出ます。つまり、トラ目のようにバーズアイを出そうを思うと気取りを90度回転させないといけません。裏板や横板の場合、柾目取り材も時には使いますが、ネック材を柾目にしようと思うと、弦の張力に対するネックの強度が弱くなってしまいます。そのため、多くの製作者はネックだけはバーズアイの場合も柾目取りにしています。サント・セラフィンもさすが、その点はよく考えられているようで、オリジナルは柾目取りです。(継ぎネックされているので現在はあまり関係ないでしょうが・・・)
というわけで、今回も柾目取りです。そのため、鳥目模様はスクロールの側面ではなく、正面・背面に出ます~。トラvs鳥の戦いでした!(?)
バーズアイメイプルのヴァイオリンですが、バーズアイ材をバーズアイの模様になるように裏板に使うと、通常の柾目と違って板目に製材して使うことになります。(専門的な話になってしまって、すみませんが・・・)
板目取りの裏板は、柾目取りに比べて反発強度が弱くなるので、厚みを増やさないといけません。その分音が重たくなり、強く張りのある音が出にくくなる分、落ち着いた柔らかい音になる傾向があります。
バーズアイや通常のタイガー(虎杢)の違いというよりか、その木の木質の差の方が音に影響するように思います。
同じような木質で、バーズアイ材を通常通り柾目にして裏板を作ると、通常のヴァイオリンと同じような音がでると思いますが・・・、まだやったことがないので、まだなんともいえませんが・・・。
とりいそぎ・・・。