ネック加工作業
2008年 01月 20日
急ぎの仕事が重なって、土・日返上でしごとしておりました。(笑)
前回から、重荷だった指板の加工も終わり、次はネック作業です。
ネック加工風景はいままでみなさんに見てもらっていますので、今回はその少し前の作業を紹介しますね。
ほぼ仕上がった指板を、ネックに仮付けしてから作業が始まります。
私の場合、ネックはこの段階まで幅を平行に残したままです。その方が万力で挟みやすいという、ただそれだけの理由なのですが・・・。
仮付けした指板に合わしてネックの幅を削り込みます。クレモナの多くのマエストロたちは、この部分の加工を普通の丸ノミ(内丸ノミ)でやっておりますが、私は外丸(そとまる)ノミというちょっと変わったノミを使っております。この外丸ノミ、このような作業には非常に便利なのですが、なぜみんな使わないのか不思議です~。 実際、欧米にはこのようなタイプのノミは流通してないですね。
この外丸ノミ、刃を研ぐ面が通常の丸ノミとは逆になっており、一定の曲線でまっすぐに削れます。ちょうど丸ノミと平のみの中間みたいな使い方ができるのです。
ちなみに、この外丸ノミは、楽器作りでも便利で、スクロールのアウトライン成形やコーナーブロックの成形に抜群の威力を発揮します。
こんな感じで、ネック側面の荒削りを終わり、平のみで仕上げをします。
今回、少しマニアックな話でしたね~。おそまつ!
作品、期待しています!!!
でも、いい作品を作るためのヒトコマです。どのようになるのか楽しみにしていてくださいね~。
外丸のみでもやっぱり丸い溝が掘れるわけですよね?
高橋さんの表板の堀跡では、きれいに溝が並んでるのがこれによるのでしょうか。
今年もよろしくおねがいします。
外丸ノミは丸い溝が彫れるのですが、通常の丸ノミ(内丸ノミ)ではなかなか溝をまっすぐ直線に掘り進むのが難しいのです。その点、外丸ノミは裏側が直線なので、まっすぐ直線に彫っていけます。
なかなか説明が難しいですね・・・。
そうそう、写真で浅い溝が並んでいるのが、その外丸ノミでの堀跡です。 うちには菊田さん家のように、写真を撮ってくれるカメラに詳しい背後霊さんがいないので、一人ではなかなか作業中の写真を撮るのがむつかしいです~。 30代独身男のかなしさがこんなとこにも~!(笑)
また、書き込みよろしくお願いしますね~。
私も高橋さんと同じように、スクロールのアウトライン成形やコーナーブロックの成形に写真の外丸鑿を使用しております。
通常の外丸鑿より断然研ぎやすいですしね(笑)
私は刃の形状も含め、柄の部分を冠がないものを特注で製作していただきました。
結構、ヴァイオリンを製作している方は写真のタイプの外丸鑿を使用していると思っていましたが、そうではないようですね。不思議。
これからも、楽しいブログを楽しみにしております。
りんねさまもヴァイオリン製作されていらっしゃるのですね! 外丸ノミ、使いやすいですよね。日本では特殊ですが、専門工具として流通しているのですが、ヨーロッパでは見たことがありません。私も製作学校やいろんなマエストロに見せたりしましたが、多少ものめずらしさがあるくらいで、あまり興味を持ってもらえませんでした。(笑)
外丸ノミは、写真にある、研ぎ面を平面にする叩きノミと、もうひとつ「つぼノミ」と呼ばれる研ぎ面を曲面にするものの2つのタイプがありますね。「つぼノミ」タイプは、研ぐのが大変です。 日本からつぼノミタイプの突きノミのセットを持ってきましたが、刃の形状を無理やり研ぎ変えて、平面にして研いでおります。 もう外丸ノミなしでは、楽器作りが難しいと思えるくらいに、私は馴染んでしまいました。 すごく便利だと思うのですが、イタリアのヴァイオリン作りで広まっていないのが私も不思議です。
またコメントくださいね。どうも。