昨日に引き続いて、本日もバスバー(力木)の取り付け、そして胴体の組み立てに入っております。
写真はバスバーの取り付け作業。
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この作業、表板・裏板の剥ぎ合わせのニカワ接着の時もそうですが、冬の寒い時の作業はしにくいのです。室内温度25度を下がると、ニカワがすぐに冷えてゼラチン状になり、そうなるとうまく接着できません。特に曲面上に接着するバスバーは、ゼラチン状になったニカワで「にゅるっ」と滑って簡単に位置が変わってしまいます。私もこの作業ではアルコールランプとドライヤーをフル活用して接着部分を暖めながらの作業です。早く夏になりた~い!

バスバーも所定の形状に仕上げて、いよいよ胴体の組み立てに入ります。
その前に横板の最終仕上げ。今回3台同時進行というのもあって、同じ型で内型枠と外型枠の両方を使いました。
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右が外型枠、左が内型枠です。どちらも、長所・短所があり、どちらがいいとは一概に言えません。詳しい特徴は、長くなるのでまた次の機会で! 古くからあるクレモナ伝統の方式は内型枠。現代のクレモナでは使っている人は半々くらいでしょうか。ちなみにビソロッティさんは内型枠、モラッシさんは外型枠です。欲張りな私は両刀使いです(笑)!

箱を閉じる前に、よーく内部を仕上げたいので時間がかかっております。難しい作業ではないですが、なかなかぱっぱっとは終わりません。プラモデルの組み立てみたいにはいかないね!
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# by akiravln | 2007-02-26 07:25 | 工房日記 | Comments(7)

クラドニ振動解析

本日は午前中に完成した3台分の表板・裏板・ネックをもって何人かのなじみ(?)のマエストロを回ってアドヴァイスをもらっておりました。靴下(もちろん洗濯済み)の中にネックを入れて持って行ったら笑われました!ネックを保護するのにサイズといい生地といい、靴下が一番いいのですが・・・。
細かいアドヴァイスをもらいましたが、大きな問題もなく、全体的に良くできているとのこと。安心して作業を進められそうです。
家に帰ってきて、昼食をたべて、午後からクラドニ法の振動解析。胴体を閉じてしまったらできないからね!
以前ホームページでも紹介した自作の振動発生装置を使って、表板や裏板の振動特性を求めます。
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振動発生装置を使っての機材全般。装置で作った振動の電気信号をスピーカーで鳴らします。スピーカー上に置いた表板または裏板を特定の周波数で強制的に振動させます。板に特定の周波数で、板が大きく振動を始めます。物理用語で共振周波数といいます。板の上に砂をばら撒いておくと、振動の腹(振動している部分)の砂が飛び散り、振動の節(腹と腹の間の振動していない部分)に集まります。これで板の振動分布がグラフィカルに見えます。この解析方法はクラドニ法と呼ばれています。

下の写真はヴァイオリン裏板のモード1と呼ばれる振動。一番低い音での共振です。
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下の写真はモード2と呼ばれる振動。下から2番目に低い音での共振です。
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下の写真はモード5と呼ばれる振動。5番目に低い音での共振。楽器と完成された後では、この振動が一番重要な振動と言われています。
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これをやったからと言ってすぐ結果がでるものではないですが、やっぱり作った楽器の記録としてです。大学時代物理専攻でしたが、そのころの知識は遠~い忘却の彼方!(笑)再度勉強しないさないといけないな~!毎回作る楽器の振動特性を測っておりますが、いまだによくわからない!でも試料としての数が多くなってくると傾向と対策がはっきりしてくることだと思う。そのための試料づくりでもあります。気の長い話だな~!
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# by akiravln | 2007-02-23 20:42 | 工房日記 | Comments(13)

ニス塗り中のヴァイオリン3台、いい色になってきました。
色は深い赤色で、こんなもんで色は完成です。
本日は、縁の部分の色ニスを一旦落とす作業をしておりました。
この部分は再度色ニスを塗り、本体よりも少し薄い色にして仕上げます。なぜ一旦落とすかと言うと、縁の部分はニスが溜まりやすいので再度塗りなおした方が綺麗にうまくいくからです。同様にf字孔や糸巻き箱のニスも落とします。二度手間でもありますし、本当なら縁も本体と同時に仕上げられたらいいのですがね・・・!

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というわけで、縁のニスを落とした状態。写真はオレンジ色に見えますが、実際は濃い赤。
表板にミミズがうねっているように見えるのは、ハーゼと呼ばれる蝶杢(イタリアではマスキアトゥーラといいます)。f字孔の内部も、この段階では真っ白!

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裏板も1枚板で、トラ目もよく出ています。

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スクロールの縁の部分も軽くニスを落として、明るい色にします。
糸巻箱の内部もこの段階では真っ白の状態。

この作業、3台分だけで夜中までかかってしまいました。
ここまでの作業で、ニス塗りはまだ8割ほど。これから色ムラをとりながら縁の色ニスを再度塗り、最後に透明ニスを数回塗って、またまた磨き上げて完成となります。がんばるぞ~!
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# by akiravln | 2007-02-22 23:13 | 工房日記 | Comments(5)

本日は朝早く目がさめたので、早速お仕事。
でも昨夜は遅くまで仕事していたので、3時間あまりしか寝てない。なぜこんなに早く目がさめたのだろうと自分でも不思議だ。
午前中がんばって仕事したおかげでだいぶ仕事が進んだが、やっぱり3時間しか寝てないため、昼食を食べたら猛睡魔が・・・。睡魔にはめっぽう弱い私は、いさぎよくベッドへ。2時間ほど寝て起きたらもう夕方。今日は仕事を早めに切り上げよっと。

というわけで本日は早めのブログとなりました。

前回の日記でコメントをいただいたまーささんのご要望にお答えして、スクロールの下部分の作業方法をお見せします。と言っても、今回の楽器のこの部分は作業がもう終わったので、作業しているふりだけね。

前回の写真であったように、スクロールの正面からできるところまで丸ノミで彫っていきます。
その後はスクロールを万力から外して手に持って作業です。

まずは写真のような細くて長いナイフを使います。
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私が使っているのは日本からもってきた彫刻刀。長手印刀という幅4.5mmの彫刻刀で、左右2つあります。一般の印刀を長めに研いでもOK。
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この彫刻刀をペグボックス(糸巻き箱)の中を通してスクロールの下までもって行きます。
そして、横方向に削ります。つまり、ペグボックスを彫った後でないと、この部分は作業できないし、見えません!私はネック下の部分を鼻に押し付け、ペグボックスの両足の間からスクロールの下を覗き込むようにして作業しております。(←表現がやらしい!?)
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この部分、ちょうど木の小口の部分ですので、少し水で濡らすと削りやすいです。(←あきらくんの豆知識!?)
ちなみにペグボックスからはみ出た部分は横から彫刻刀を滑り込ませるようにして削ります。手を刺さないように!
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仕上げの前にヤスリがけ。こんな便利なヤスリがあります。細か~い鬼目ヤスリで、先がいい感じで曲がっております。
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これをさしこむと、奥まで届~く。
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ちなみに、このヤスリ、今回使うの忘れてた・・・。今思い出したところです。とほほ・・・!

さて、いよいよ仕上げです。もちろんスクレーパーはこの部分には入りません。
紙ヤスリを丸めて細長い丸棒にします。これで大半はOK。奥の部分はこの丸棒を平たくつぶして作業してもいいのですが、平たい分折れ曲がりやすいです。紙ヤスリの丸棒をもっと細くする必要があるのですが、これも強度が落ちて折れ曲がります。
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そこで私はつまようじを芯棒にして紙ヤスリを巻いています。これだと力も入れられ、折れ曲がりません。先から芯のつまようじが頭を出してスクロールを傷つけないように少し引っ込めて作業します。先が切れなくなったら、つまようじを少し引っ込めて先の紙やすりだけハサミで切れば短くなるまで使えます。

参考になりましたでしょうか?あきらくんの丸秘テクニック大公開でした。(←大げさです)
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# by akiravln | 2007-02-21 17:44 | 工房日記 | Comments(10)

スクロールの完成間近!

本日もやっぱり仕事。毎日ブログを書くのもネタがないので、隔日でいいかも。レスもつかないし。3日坊主のところ3週間もっただけでもいいかな。なんて弱気な今日このごろ。

本日はニス塗り途中の楽器の色がいいかんじに仕上がってきたので、縁の部分の色を落として最終段階に入ってきました。
製作途中のスクロールも、正面の部分の彫り込みをしました。
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正面の、つまり頭の下ののど部分は一番作業がしにくい部分です。
丸ノミで彫っていくときに、勢いあまって糸巻き箱を傷つけないように、当て板をはさんでの彫り込みとなります。
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仕上がったアゴの下です。ここの部分の作業がなかなか大変です。工具が入らない!!!ヘタに削ろうとすると、他の部分を傷つけてしまう。
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目立たない部分ですし、綺麗に仕上げにくい部分ですので、手を抜こうとすれば抜けてしまう部分です。でも、私はこんな部分にもこだわってしまう。
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実際、大量生産の楽器ではこの部分はいい加減に仕上げられていますし、彫り込みも内側では省略されている場合も多いです。こんなところをみて見ても、楽器が丁寧に仕上げられているか、いい加減に仕上げられているかわかるのではないでしょうか?
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# by akiravln | 2007-02-20 23:43 | 工房日記 | Comments(6)